花を一輪だけ飾る暮らし
仕事が立て込み、心がざわざわしていた日の帰り道。
ふと立ち寄った花屋で、
オレンジ色のガーベラを一輪だけ買った。
家に帰って、空いたグラスに挿してみる。
たったそれだけで、部屋の空気が変わった。
なんだか呼吸が深くなる。
一輪の力
花はそこにあるだけで、空間を整えてくれる。
派手でもないのに、確かな存在感がある。
目に入るたび、心の奥が静かになる。
枯れてしまうからこそ、
今この瞬間の美しさを感じる。
それが、花のやさしさだと思う。
季節とともに暮らす
花を飾るようになってから、
季節の移ろいに敏感になった。
春はチューリップ、夏はひまわり。
秋はダリア、冬はラナンキュラス。
スーパーの片隅で見かける花でもいい。
その季節にしか出会えない色がある。
ほんの少しの余白を
忙しい日も、
花があるだけで「ちゃんと今日を生きている」と思える。
一輪でも、暮らしが柔らかくなる。
花を飾ることは、
自分を大切にすることでもあるのかもしれない。
