朝5分の小さな習慣がくれた余裕
朝、目が覚めたときにまずすることを変えてみた。
スマホを手に取る代わりに、カーテンを開ける。
たったそれだけのことなのに、空気がふっと変わる。
薄いカーテン越しに、やわらかな光がゆっくり差し込んでくる。
まだ眠そうな部屋の中が少しずつ明るくなり、
外の世界が「おはよう」と声をかけてくれているように感じる。
ポットでお湯を沸かし、白湯をマグに注ぐ。
湯気がゆらゆらと立ちのぼり、その向こうに静けさが広がる。
少し冷たい空気の中で、温かさが手のひらに伝わってくる。
その瞬間、ようやく自分の体と心が目を覚ます。
小さな時間がくれる整い
以前の私は、朝起きてすぐスマホを開くのが当たり前だった。
SNS、メール、ニュース。
次々に流れる情報に気を取られ、
まだ何もしていないのに疲れてしまうことが多かった。
そんな朝を変えたくて、思い切って“5分だけスマホを触らない”と決めた。
代わりに白湯を飲みながら、窓の外を眺める。
木の枝が風に揺れて、鳥が鳴いている。
その何気ない音や景色が、心のリズムを穏やかにしてくれる。
朝の静けさは、日中の忙しさとは違う優しさを持っている。
何かをしようとしなくても、
ただ「今ここにいる」ことを感じられる時間。
何もしない時間の豊かさ
何もしない時間を“無駄”だと思っていた頃がある。
でも今は、その時間こそが自分を整えるために大切だと感じている。
白湯を飲みながら、
今日やりたいことをひとつだけ思い浮かべる。
大きな目標じゃなくていい。
「洗濯をして、気持ちよく干す」
「会社でひとつ笑顔を増やす」
そんな小さなことで十分だ。
“ひとつだけ”と決めると、心が軽くなる。
欲張らず、できることを丁寧に。
その意識が1日の過ごし方を変えてくれる。
ゆっくり始まる朝が好きになった
以前の私は、
効率よく動くことがいいことだと思っていた。
時間を埋めるほど価値があるように感じていたけれど、
気づけばいつも焦っていた。
今は違う。
白湯を飲みながら、光を感じることから始まる朝が好きになった。
たった5分でも、
“静かに整える時間”があるだけで、
その日1日の過ごし方がやさしく変わる。
朝の余裕は、心の余裕。
何かを手に入れるより、
今ある時間をどう味わうかで、暮らしは豊かになるのだと思う。
小さな習慣がくれる安心
続けているうちに、この5分が私にとって欠かせない習慣になった。
忙しい朝も、落ち込んだ日も、
“いつものことをする”という繰り返しが心の支えになる。
完璧じゃなくていい。
うまくいかない日があっても、
この5分があればまたリセットできる。
カーテンを開け、光を迎える。
白湯を飲みながら、今日を整える。
静かな朝の5分が、
私にとっての小さな幸せの形になった。
